マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の遠藤達哉先生による漫画『SPY×FAMILY』。
スパイの父・ロイド、殺し屋の母・ヨル、人の心が読める娘・アーニャが互いに正体を隠しながら疑似家族として暮らす日常を描いた大人気作品です。
本作は、ドタバタで温かい日常と、各国間の平和を守るために奮闘するシリアスな物語のギャップが読者を惹きつけています。
今回はスパイファミリー119話の内容について解説していきます。
Contents
【スパイファミリー】118話までのあらすじ
ヨルは、家族がいることを良く思わない〈弟切〉と1対1の対決に勝利します。
その勝利のあと、敵陣深くに潜入する作戦が開始され、彼女は冷静沈着に行動を続けます。
密猟者壊滅任務の最終局面にて、「家族がいることは弱さではない」と心に誓い、夫ロイドや娘アーニャへの想いを剣に込めて戦います。
通信機器の破壊、敵兵の排除など、一つ一つの動きは完璧。しかし、その目にはどこか疲れと迷いがにじんでいました。
傷を負いながらも帰還したヨルの姿は、戦士ではなく“誰かの帰りを待つ女性”としての姿でもありました。
自宅の扉の前に立ち、静かにノックをするヨル。その手には、決して任務だけでは語れない、家族への思いがこもっていました。
「仮面の裏にある本音」と「守りたい日常」――その狭間で揺れるヨルの心が描かれた、情感豊かな一話でした。

【スパイファミリー】119話のあらすじ最新話
- 弟切の帰還とギンピーからの薬の託し
- ヨルがロイドを誘う理由は“痛み止め”と“恋心”!?
- 酒に酔ったヨル、薬を届けた弟切、誤解する同僚たち
- 契約夫婦の未来を問うヨルの本音にロイドはどう答えた?
任務からの帰還と”ガーデン”の在り方
物語は、ガーデンの一員である弟切(オトギリ)が、過酷な任務から徒歩で帰還する場面から始まります。その疲れた背中に、まるで気配を感じさせないように店長が現れます。
弟切は、マシュー部長経由で店長からヨルとの交戦について報告を受けていたことを知りますが、店長はそれをとがめることなく、むしろ戦いの中で強さを確かめ合うことが“庭師”として当然であるという姿勢を見せます。
このシーンでは、ガーデンという組織の非情さと共に、弟切がヨルをただの同僚以上に気にかけていることがうかがえます。
店長の指示で、彼はギンピーが調合した特製の薬を託され、ヨルの元へ向かうことになります。
ヨルの”イチャイチャ練習”作戦始動!?
一方、翌朝のヨルは、腕の痛みで一睡もできずにいました。過去に猛毒入りの酒を飲んで一時的に痛みが和らいだ経験を思い出し、再びそのレストランへ行くことを思いつきます。
しかし、ロイドを誘う理由として口から出たのは「イチャイチャの練習のため」という予想外の一言。突然の展開にロイドも戸惑いながら、「わかりました」と返答します。
この場面では、ヨルの天然ぶりと不器用さが愛らしく、読者にクスリと笑わせつつ、彼女の必死さが伝わってきます。
酔いと誤解と薬と…騒がしすぎるデート展開
デート当日、ヨルはロイドのプランを無視してレストランに直行しますが、目当ての酒はまったく効かず、逆に酔ってしまう始末。ヨルの体質ゆえに薬や毒が効きづらいことが、ここでも描かれます。
そのタイミングで弟切が登場。殺気すら感じさせながらヨルを手招きし、ギンピーの薬を手渡します。弟切はロイドにさえ気配を察知されずに尾行しており、その高い実力が示されました。
しかしこの場面を、偶然尾行していたヨルの同僚たち(カミラたち)に目撃されてしまいます。
弟切から薬を受け取る様子が、まるでプレゼントを贈られているように見え、”不倫現場”と誤解される展開に。
薬の効果はてきめんで、ヨルの腕の痛みは治りますが、ロイドは周囲の視線に気づき、ラブラブ夫婦を演じることに。
ヨルはその演技に耐えきれず、無意識にロイドの手を握りつぶしそうになり、表情は真っ赤に染まります。
逃走劇の果てに見えた“本当の気持ち”
同僚たちから逃れるように移動する途中、ヨルはこの逃走劇を「ちょっとだけ楽しい」と感じていました。
そこには、任務や仮面の関係を越えて、心からロイドとの時間を楽しむ自分の姿がありました。
そして2人は、かつてヨルが“戦う理由”を探しに来ていた丘の上の公園へ足を運びます。
今や彼女にとって戦う理由は、「家族と過ごす日々」そのものになっており、その場所を訪れる必要はなくなっていました。
そこでヨルは、静かにロイドに問いかけます。
「私たちの結婚の契約って、いつまで続くのでしょうか?」
この一言に、ロイドは即答できずに沈黙。スパイとしての損得や次の任務の可能性などが脳裏を巡ります。
しかし、ヨルの本当の想いはその逆。「私は……ずっと続けばいいなって……」という、心からの願いでした。勇気を振り絞って、ヨルはロイドの本音を尋ねます。
「ロイドさん自身の気持ちを……知りたいんです」
ロイドは、任務上の都合という形で「僕もその方が助かりますよ」と返しますが、その言葉はヨルの期待していたものとは違っていました。ヨルは初めて、自分がロイドを「好き」だと明確に気づき、その気持ちに戸惑いながらも受け入れ始めているようでした。
ヨルの恋が動き出した――今後の2人の関係に注目
119話は、ヨルがロイドへの恋心を明確に自覚する、シリーズ屈指の重要回です。弟切、ギンピー、店長、マシュー、カミラたちの周辺人物も多く登場しながら、中心に据えられていたのは”ヨルの感情の揺れ”でした。
まだロイドはその本心に気づかないままですが、仮初の関係に本物の想いが芽生え始めている今、今後の二人の距離がどう変化するのか、非常に注目されます。
【スパイファミリー】過去の記事はこちら
過去の話のリンクを張っておきます。過去の考察記事を見たい方はこちらからどうぞ。
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