マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の遠藤達哉先生による漫画『SPY×FAMILY』。
スパイの父・ロイド、殺し屋の母・ヨル、人の心が読める娘・アーニャが互いに正体を隠しながら疑似家族として暮らす日常を描いた大人気作品です。
本作は、ドタバタで温かい日常と、各国間の平和を守るために奮闘するシリアスな物語のギャップが読者を惹きつけています。
今回はスパイファミリー117話の内容について解説していきます。
Contents
【スパイファミリー】116話までのあらすじ
116話ではついにミテラオオジカの密猟者殲滅任務が開始しました。
ヨルたちは、密猟者によるミテラオオジカの乱獲を阻止するため、森へと潜入する任務に出ます。
道中では、部長の鷹を使った偵察や、ヨル・〈弟切〉・部長の間で家族やペットの話題が飛び交い、それぞれの人間味が垣間見えます。
森では、同じガーデンの仲間である〈ギンピー〉が毒の専門家であることが判明します。
〈弟切〉やヨルたちが密猟者の罠や足跡を発見し、密猟者たちを速やかに排除する。
しかし、〈弟切〉はヨルの態度について不満があるようで邪魔者扱いし、任務中ながら対立の気配が強まります。
【スパイファミリー】117話のあらすじ最新話
- ヨルと弟切の間で組織内衝突が勃発し、命を懸けた戦いに突入
- 弟切の過去が語られ、「孤独こそが最強」という信念の成り立ちが明らかに
- 母として家族を守ろうとするヨルの決意と、かつての彼女との違いが際立つ
- 緊迫の一戦の末に、弟切の内面に揺らぎが生まれ、今後の変化に期待
組織内の衝突――弟切、ヨルに牙を剥く
前話では密猟者の殲滅作戦で協力していたヨルと弟切。
しかし今回、その絆はもろくも崩れ去ります。弟切は「お前はもう刃として失格だ」と断罪し、容赦なく剣を抜きます。
彼の口からは「結婚して腑抜けた」「ぬるま湯に浸かった存在」など、冷酷な言葉が次々と飛び出します。
ヨルはこれに冷静に応じ、「私は任務を果たしているだけです」「家族ができて、より一層仕事への覚悟が強まりました」と返しますが、弟切は一切耳を貸そうとしません。
ミテラオオジカの突発的な行動が混乱に拍車をかけ、森の静寂は戦場へと一変。組織の仲間同士による異例の戦闘が勃発します。
「孤独は力」――弟切が信じる信念と、その裏にある孤独な過去
弟切は自らを「選定者」と呼び、「祖国のための刃」としての矜持を口にします。
彼の思想は極端で、「血に染まった刃に、愛や情など不要」とまで言い切ります。
そんな彼の行動原理の裏には、長年にわたる孤独な修練と、周囲からの排斥や誤解に満ちた過去がありました。
人との関係を拒み、髪すら伸ばし放題、理容室にすら行かなくなった弟切。
彼の回想には、学校や職場で他人と交われなかった場面、笑われ、避けられ、失望された過去の断片がフラッシュバックのように描かれます。
そんな彼がたどり着いた結論が「孤独こそ最強」。
その信念が剣となって今、ヨルに突きつけられるのです。
家族を背負い、戦う母――ヨルの静かなる覚悟
ヨル・フォージャー、表の顔は市役所勤務の女性、裏の顔は伝説の殺し屋〈いばら姫〉。
彼女は弟切との戦いの中で、「いまの私は一人ではない」と強く訴えます。
家族を持ったことにより、かつての“ただの殺し屋”ではなくなったヨル。
彼女は、夫ロイド、娘アーニャ、そして犬のボンドと過ごす日常から得た「守るべき存在」があることを剣に乗せ、戦います。
「あなたにはわからない…でも私には帰る家がある」と、ヨルは誇りを持って言い切ります。
その言葉と剣筋には、母としての優しさと鋼のような強さが共存し、弟切の苛烈な攻撃にも一歩も引かず立ち向かっていきます。
衝突の果てに――揺らぎ始める最強の信念
斬撃が飛び交い、互いの信念が剣となってぶつかり合う中、ヨルは弟切に対して見事な一撃を決めます。
その一太刀が、弟切の強硬な信念を初めて揺るがすきっかけとなります。
「私の勝ちです。もう家族は狙わないでくださいね」――ヨルの静かな一言が、弟切の胸に深く刺さります。
これまで誰からも受け入れられず、孤独こそが唯一の正義と信じてきた彼にとって、その敗北の意味は計り知れないものでした。
「負けた…?」とつぶやく彼の目には、初めて迷いと戸惑いが浮かびます。
そして戦闘後、ヨルが無理やり弟切を引きずって移動するという意外なコメディ描写が入ることで、読者に一息つかせるユーモアも忘れられていません。
その姿には、姉のように弟を導こうとする優しさすら感じさせられます。
【スパイファミリー】過去の記事はこちら
過去の話のリンクを張っておきます。過去の考察記事を見たい方はこちらからどうぞ。
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