マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の遠藤達哉先生による漫画『SPY×FAMILY』。
スパイの父・ロイド、殺し屋の母・ヨル、人の心が読める娘・アーニャが互いに正体を隠しながら疑似家族として暮らす日常を描いた大人気作品です。
本作は、ドタバタで温かい日常と、各国間の平和を守るために奮闘するシリアスな物語のギャップが読者を惹きつけています。
今回はスパイファミリー114話の内容について解説していきます。
Contents
【スパイファミリー】113話までのあらすじ
前回の113話では、ダミアンが自身の内面と向き合う様子が描かれました。
アーニャが知らないうちに他の男子と仲良くなっていたことに動揺し、夢の中で「ザワキング」と戦うことで自らの感情と格闘しました。
しかし、それだけで終わらず、ダミアンの不安は親友であるエミールやユーインにも波及し、彼らも「ザワワ」に取り憑かれる状況に。
さらに、グリーン先生の助言を受け、「パラダイムシフト」を「パラダイスレフト」と誤認したエミールとユーインが、独自の方法で問題解決を試みる様子もユーモラスに描かれました。
【スパイファミリー】114話のあらすじ
概要
国家保安局の官僚として日夜職務に励むユーリは、過激な思想や陰謀論に取り憑かれた容疑者たちと向き合う苛烈な日々を送っていました。
任務に忠実であろうとする姿勢の裏には、常に社会との距離や、自らの正義に対する違和感が影を落としていました。
そんなある日、ユーリは久方ぶりに「姉」ヨルとの再会の機会を得ました。
幼少期から絶対的な存在であった姉との時間に心を躍らせながらも、再会したヨルからは、かつての“身内”ではなく、フォージャー家の一員として他者と人生を共に歩む一人の大人としての雰囲気がにじみ出ていました。
二人はデパートでの買い物や高級レストランでの食事を通じて久々の交流を楽しみましたが、ユーリは次第に姉の変化、そしてその変化がもたらす自分との距離を実感していきました。
ユーリはかつてのように「二人だけの時間」を取り戻したいという思いを打ち明けましたが、ヨルは穏やかに、しかし確固たる意思で「私にも、ここでやるべきことがある」と応じました。
その言葉には、フォージャー家という“新たな居場所”に対する彼女の覚悟と、自立した一人の女性としての決意が込められていました。
夜、ユーリは一人部屋に戻り、今日という一日、そして幼いころからの姉との記憶を静かに回想します。
彼の胸に去来するのは、姉を守りたかった純粋な想い、そしてその想いを抱えたまま大人になった自分の現実でした。
ラスト、彼は心の中でそっと呟きます。「嘘けだせない本心が、増えすぎたんだ」と──。
ユーリの尋問室
国家保安局の尋問室。ユーリは鋭い視線をたたえ、容疑者に冷徹に対応します。
彼らは陰謀論や非現実的な主張を口にし、「政府の犬」などとユーリをなじりますが、彼は感情を抑えたまま淡々と業務をこなします。
しかしその無表情の裏には、自身の役割に対する迷いや、信念と現実の狭間で揺れる感情が確かにありました。
どれだけ論理的に否定しても、割り切れない何かが胸の中に渦巻いていました。
姉ヨルとの再会
任務を終えたユーリは、姉ヨルと再会します。街角で手を振るヨルの姿を見つけると、彼は子供のように駆け寄り、「今日も世界一美しい!」と叫びます。
ヨルの前では立派な国家官僚である自分を忘れ、素直な弟に戻ります。それは、彼にとっての“本当の居場所”を象徴していました。
ヨルもまた、変わらぬ笑顔でユーリを迎え入れ、久々の姉弟の空気が流れます。
デパートでの兄妹のすれ違い
デパートでのショッピング。
ヨルが日用品やアーニャのための品を選ぶ姿に、ユーリは驚きつつも微笑ましさを感じます。
姉はすでに「家庭を持つ女性」としての自覚に満ちており、かつてのように自分のためだけに生きているわけではありません。
その現実を前に、ユーリは寂しさと喜びの狭間で揺れ動きます。
プレゼントを渡そうとしますが、「気持ちだけで十分」と断られ、姉の内面に触れられない距離を痛感します。
レストランでの心の距離
夕食は格式あるレストランにいきました。料理を楽しみつつ、ヨルはアーニャとの日常やロイドとの出来事を自然に語ります。
ユーリは笑顔で耳を傾けながらも、内心では複雑な気持ちを募らせます。
姉の生活の中に自分がいないというその現実がユーリを切なくさせます。
姉の幸せを願いながらも、置いていかれるような喪失感が確実にユーリの中に根を下ろしていきます。
同居提案と姉の決意
食事のあと、ユーリは勇気を振り絞って提案します。
「ニールバーグに戻って、また二人で暮らさないか?」
その言葉は、彼の純粋な願いであり、姉との絆を取り戻したいという強い想いでした。
しかしヨルは、それに対して優しく首を横に振ります。「私は、やるべきことがあるから」と。
フォージャー家での生活、自分の役割、そして大切な家族──それを選んだヨルに、ユーリは何も言い返せませんでした。
ユーリの本心
帰宅したユーリは、静まり返った部屋の中で今日の出来事を振り返ります。幼いころ、姉の笑顔を守ることが自分のすべてでした。
今、彼女は別の人々と共に笑い合っています。
それは喜ばしいはずなのに、心はなぜか虚しさで満たされていきます。
彼は姉の笑顔を思い出しながら、胸の中にしまい込んできた“嘘ではない本心”をそっと見つめ直します。
そして、静かに独白します。「嘘けだせない本心が、増えすぎたんだ」と。
それは、姉を想う気持ちと現実の間に揺れる一人の青年の、切実な祈りでした。
【スパイファミリー】114話のあらすじまとめ
114話では、ユーリの内面に深く踏み込んだ物語が描かれています。
国家に仕える尋問官である彼も、姉ヨルの前では無防備で感情豊かな一人の弟に戻ります。
彼の中には、幼少期から抱き続けてきた姉への強い愛情と、時の流れの中で少しずつ変わっていく現実への戸惑いが交錯していました。
ヨルとの再会を通して、ユーリは家族という関係の在り方や、自分がかつての居場所を失いつつあることに気づきます。
姉の幸せを願いつつも、その変化に寂しさを抱く彼の姿は、観る者の心に静かに語りかけてきます。
【スパイファミリー】過去の記事はこちら
過去の話のリンクを張っておきます。過去の考察記事を見たい方はこちらからどうぞ。
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