今回はフリーレンが80年以上前にタイムスリップする過去編について解説していきます。
この話は、強敵である七崩賢マハトを討伐し北の大地へと進むフリーレン一行が北部高原の入国審査に3週間かかることが判明し、「ちょうどいい」と考えて弟子のフェルンや旅の同行者であるシュタルクと共に近くにある女神の石碑を目指します。
Contents
【葬送のフリーレン】女神の石碑の再調査
フリーレンは女神の魔法を込めた十の石碑の1つが近くにあると知っており、石碑に込められた魔法を解読したいと考えていたようです。
かつてフリーレンはヒンメルたちと共に旅をしていた時に1度解析を試みたものの、結局何も分からず、「1週間ほどの記憶が曖昧になっている」ことだけを憶えている不思議なものでした。待ち時間の間にこの時のリベンジをしようというのが、フリーレンの目的だった。
この時フリーレンが調べようとしていた女神の石碑は、創世の女神が地上に残したとされるものの1つで、彼女が以前調べた時はほぼ完全な状態でした。それから何があったのか、現在は半壊した状態で、「フィアラトール」という不可思議な言葉が新たに刻まれていました。
「フィアラトール」は聖典の時巡りの章に出てくる言葉です。フリーレンはフェルンに本を読めと言っておきながらあまり詳しくはなかったようです。
【葬送のフリーレン】ヒンメルたちとの再会
石碑の解読を行うためにフリーレンが石碑に魔力を込めた瞬間、女神の石碑が完全な状態に戻り、死んだはずのヒンメルが背後からフリーレンに話しかけてきます。
振り返ると80年以上前に旅をともにしていたしていたハイター、アイゼンの姿もあり、フリーレンの石碑の解読が終わるのを待っているところでした。
ヒンメルが幻ではなく実体だと悟り、「どうやら自分は意識だけ80年前に送り込まれたらしい」と判断したフリーレン。なんとか帰る方法を探そうと考える一方、迂闊にヒンメルたちに未来の情報を知られれば、歴史が変わってしまうと警戒します。
ヒンメルたちはフリーレンの様子がおかしいことに気が付き始めているも、深追いはせず、ただただ仲間を信頼して様子を見守っているだけでした。
【葬送のフリーレン】魔族たちの動き
フリーレンが触った女神の石碑は時空干渉を起こすものであったため、「七崩賢」の奇跡のグラオザーム配下の残影のツァルトに監視されていました。
これは1000年先をも見通すとされた大魔族全知のシュラハトが、フリーレンが未来の知識と技術を持って現れることをすでに見抜いており、事前に「七崩賢」の奇跡のグラオザームにフリーレンを討伐するよう指示を与えていたためです。
フリーレンとヒンメルたちをまとめて倒すため、グラオザームは血塗られし軍神リヴァーレ、終極の聖女トート、無名の大魔族ソリテールといった大物魔族を召集。ヒンメル一行を全滅させることを目論み、動き出していきます。
【葬送のフリーレン】女神の石碑の戦い
残影のツァルトとの戦い
残影のツァルトは「七崩賢」奇跡のグラオザーム配下の魔族で、強力な空間転移魔法の使い手です。触れたものをあらゆるところへ転移させることができます。
残影のツァルトは不意を突いてフリーレンを空の彼方へと転移させ、ヒンメルたちに「あの女を助けたければ降伏しろ」と要求。この時代、空を飛ぶ魔法は魔族しか使えず、上空に飛ばされてしまえば墜落死は避けられないのが当たり前でした。
未来からやってきたフリーレンも空を飛ぶ魔法を修得していたが、「さすがに飛ぶところを見せるのはまずい」と判断し、フリーレンは精密な魔力コントロールで攻撃魔法を連打し、制動をかける形で着地にしました。
フリーレンはヒンメルたちの援護にまわり、ツァルトとの戦いを優位に進めます。フリーレンの攻撃に気を取られていたツァルトは一瞬の隙をつかれ、ヒンメルとアイゼンに攻撃を許してしまいます。
追い詰められたツァルトは、ヒンメルたちの頭上に岩塊を転移させて相手を押し潰す策に出ます。
「これはさすがにどうしようもない」と判断したフリーレンが未来の魔法でこれを粉砕。未来の魔法を見られたからにはツァルトを殺すしかなくなったフリーレンはツァルトにトドメを刺し、一行を圧死の危機から救います。
80年後の約束
ツァルト倒したフリーレンですが、未来の魔法を使うところを目撃したヒンメルたちから「そろそろ話してほしい」と提案されました。
流石に最後まで秘密にしておくのは無理があると感じたフリーレンは、自分が80年後から精神だけこの時代に送られた状態にあることを打ち明け、歴史に影響を与える前に帰りたい旨を告げます。
フリーレンを過去に戻す術についての調査を始め、ヒンメルたちはやがて聖典の中に女神の石碑を作動させる魔法が暗号の形で隠されていることを突きとめます。
しかし、同時にこの解読には数十年単位の時間がかかることが予想されることも判明しました。
そこでヒンメルは、フリーレンが「未来の情報をこの時代の人間に伝えるとタイムパラドックスを起こしかねない」と案じていることから、「自分たちの冒険が終わった後で、時間をかけて聖典を解読し、判明した魔法を女神の石碑に彫り付けておく」という方法でこの問題をクリアしようと言い出す。
この時点でフリーレン一行は女神の石碑からかなり離れた場所に移動していたが、フリーレンの精神を再び未来に送り返すためにこれまで歩んだ旅路を逆に辿っていくことになりました。
この頃、ツァルトが敗れたことを知ったグラオザームは、血塗られし軍神リヴァーレ、終極の聖女トート、無名の大魔族ソリテールといった大物魔族を召集していました。
1000年先をも見通すとされた魔王の腹心全知のシュラハトは、フリーレンが未来の知識と情報を持った状態になることも見抜いており、フリーレンを討伐するようグラオザームに言い渡していました。
フリーレンの精神が時空を超えることは、魔王も察知しており、召集に応じた魔族たちは「フリーレンを始末するだけではなく、そのまま我らの手で勇者一行を討つ」と意気込んでいた。しかしただ1人、トートだけは「戦うのは苦手だ」と言って早々に引き上げてしまう。
フリーレン一行と大魔族の戦い
女神の石碑の近くにまでやってきたところで、フリーレンが大きな魔力を感じ、ヒンメルたちはグラオザームたちの襲撃を受けることとなります。
先陣を切って突撃してきたリヴァーレは、魔族の間でもその名を知られたアイゼンが相手と知って歓喜し、改めて彼と同じ戦斧を手に取る。リヴァーレが自分にしか興味がないと気付いたアイゼンは、この場に留まってその攻撃を食い止めることを決意し、ヒンメルたちを逃がすように先に行かせます。
しかし、魔族側もヒンメルたちが女神の石碑に向かうことは想定済で、進む先にはグラオザームとソリテールが待ち構えていました。
強力な精神魔法の使い手であるグラオザームは、フリーレンの魔力探知さえもかいくぐり、「安楽へと導く魔法(アンシレーシエラ)」の魔法をフリーレン、ヒンメル、ハイターにかけます。
安楽へと導く魔法(アンシレーシエラ)は魔法で幻を見せる魔法で決して叶わないと諦めた夢でさえ見せることができる。
グラオザームの魔法で見せられていた幻想は魔王を倒した後の平和な世界。その世界ではヒンメルはフリーレンと結婚式を挙げようとしていました。
そして、誓いのキスの直前、ヒンメルはこの状況は現実ではないと悟り、花嫁姿のフリーレンに「この状況を打ち破るにはどうすればいい」と尋ねます。
そこでようやくフリーレンは精神防御を破られた形跡から、強力な精神魔法の使い手との戦闘中だと気が付き、そんな芸当が出来るのは「奇跡のグラオザーム」くらいしかいないと判断します。
しかし、フリーレンにはこの状況は現実としか見えておらず、「私にはどうしようもできないが、ヒンメルならどうにかできる」ということを伝えます。
フリーレンは、彼に幻術の世界の外から伝わるわずかな違和感を頼りに戦うよう助言します。ヒンメルは研ぎ澄まされた感覚で、敵の息つかい、衣擦れ、風の音などを感じ取り、幻術に囚われたままグラオザームを追い詰め、負傷させることに成功する。
グラオザームが負傷したことで幻術が途切れ、ヒンメルは正気に戻ったフリーレンを女神の石碑の下へと送り出す。
グラオザームの援護をしていたソリテールは未来の知識を持つフリーレンを倒すことが最大の目的でした。しかしながら、彼女の精神が本来あるべき時代に戻ったのであれば戦う意味が無いとしてグラオザームと共に撤退することになります。
ヒンメルもリヴァーレの足止めをしてくれていたアイゼンに退却指示を出し、傷だらけになりつつもなんとか相手に渾身の一撃を叩き込んで崖下へと突き落とす。リヴァーレは「久々に楽しい戦いだった」と言って、自分に手傷を負わせたアイゼンを称賛するのでした。
【葬送のフリーレン】「女神の石碑の戦い」のその後
ヒンメルたちの石碑の解読
フリーレンの精神は無事に未来へと戻るが、「未来の自分自身に肉体を奪われる」形となったこの時代のフリーレンは、それと同じ1週間分ほどの記憶が曖昧になる結果となりました。
その後フリーレンとはいったん別れますが、ヒンメル、ハイター、アイゼンの3人は未来の彼女と約束した通りに聖典の解読に取り掛かります。
そして、数十年かけて「過去の自分に精神を送り込む魔法」を解明することに成功します。
この魔法こそ、「フィアラトール」です。
そして、ヒンメル自身がこれを女神の石碑に石碑に彫り込みます。
この際、ヒンメルは関所の近くで暮らす若い戦士と知り合い、彼に自分が「未来のフリーレンのためにここまで来た」ということを話します。
この時ヒンメルから「過去に渡る未来のフリーレン」がいつ女神の石碑を訪れるかの大体の時期を聞いたこの戦士は、そのタイミングで彼女に接触。晩年のヒンメルの様子を彼女に伝えたのでした。
大魔族たちの存在
女神の石碑の戦いでヒンメルたちと交戦した大物魔族たちはそれぞれに別の道を歩んでいます。
奇跡のグラオザーム
奇跡のグラオザームは「ヒンメル一行に討たれた」とされていますが、フリーレンが目の前にいることすら認識できなくさせるほどの精神魔法の使い手であることから、ヒンメルたちに倒されたふりをして潜伏している説も存在しています。
血塗られし軍神リヴァーレ
リヴァーレは魔王軍壊滅後も気ままに強者との戦いを楽しみ、シュタルクの故郷の村を壊滅させています。
無名の大魔族ソリテール
ソリテールは女神の石碑に再挑戦する直前の未来のフリーレンと交戦し、フリーレンとその弟子のフェルンの連携の前に敗れて死亡しています。
終極の聖女トート
トートは女神の石碑の戦い以降全く姿を見せておらず、自身の呪いが世界全体を覆う日を虎視眈々と待ち続けている状態です。
【葬送のフリーレン】ヒンメルとフリーレンが同じ夢を見ていたのはなぜか?
個人的に気になる考察をしたいと思います。
奇跡のグラオザームの魔法は、「決して叶わないと諦めた夢でさえ見せることができる」とされているが、どうしてヒンメルとフリーレンが同じ夢(幻)を見ていたのでしょうか?
幸せな夢とは人それぞれ。本来であれば別々の幻影を見るのではないでしょうか?
- そもそも、同じ幻影を共有するタイプの魔法。
- フリーレンにかなえたい願いがなかったため、ヒンメルの想いに引っ張られた。
- フリーレンの心の片隅に同じような願いがあった。
- 実はフリーレンも別の幻影を見ていたが、作中で語られていない。
- たまたま一緒になった。
いくつか考察した結果、①は幻影魔法として効果がイマイチです。③の可能性はストーリーの流れ的に一番ありえる展開だと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。