『葬送のフリーレン』に登場するフラーゼは魔導特務隊の隊長であり、物語の根底に影響を与えている重要人物の一人です。
登場回数こそ多くないものの、その登場時の存在感や背景に秘められた役割から、物語全体の構造に深く関与していることがうかがえます。
今回は、帝国軍の魔導特務隊を率いる人物「フラーゼ」に焦点を当てて解説を行っていきます。
Contents
【葬送のフリーレン】「フラーゼ」の正体とは?

帝国という巨大国家の治安・防衛を担う部隊「魔導特務隊」。そのトップに立つのが、隊長フラーゼです。
フラーゼは作中でも非常に寡黙で、隙のない雰囲気を纏っています。
部下であるカノーネやノイなども、フラーゼの命令に忠実に従っており、組織の頂点に立つ者としてのカリスマ性があることも示唆されています。
かつてはヴァイゼに使者として赴いており、グリュッグと面識があるようです。
半世紀以上前にヴァイゼへ赴いた際には、マハトに
「ヴァイゼを滅ぼせるだけの力を持っている」
「使者として送っていいような戦力ではない」

若かりし頃のフラーゼの時代に七崩賢のマハトが「彼女はここで殺しておくべきかと」と言っており、相当な魔法の腕前を持っていることがうかがえます。
あのマハトがこれだけ言うことから相当な実力者であることが分かります。
個人としての力はもちろんのこと、指揮官として組織全体を掌握する手腕に長けており、軍事的・政治的にも多方面で影響力を持つ人物です。
【葬送のフリーレン】フラーゼの魔法
フラーゼの能力の中でも特筆すべきは、帝都全域をカバーできる「広範囲魔力探知」です。
この魔法は、ただ広範囲を探知するだけでなく、細かく精密な魔力の変動を捉えることができるという点で、極めて実用性と戦術性に優れています。
実際、ゼーリエはその探知能力を察知し、彼女自身も対抗するように魔力を展開することで、一触即発の空気が生まれました。
言葉を交わさなくとも互いを牽制しあう、魔法使い同士の「静かな戦い」は、まさに一流同士のぶつかり合いの象徴とも言える場面です。
【葬送のフリーレン】ラントの家族との関係
ラントは幼少期、両親を失い祖母に育てられましたが、その祖母のもとにフラーゼが訪れた過去が明らかになります。
ラントの話では、ラントの祖母は「老衰」のような形でなくなったといっていましたが、もしかしたらラントの祖母を殺した人物かもしれません。
この出来事は回想シーンとして描かれており、フラーゼが何らかの調査あるいは拘束のために訪れた可能性が高いと見られています。
なぜフラーゼはラントの家を訪れたのか?その理由については作中では明確に語られていません。
しかし、ラントが一級魔法使い試験合格時にゼーリエに「家族の遺体を探す魔法」を希望したことから、ラントの家族は魔導特務隊によって追われ、あるいは処分された可能性すら考えられます。
フラーゼの訪問がどのような目的であったのか、彼女は命令通り動いていただけなのか、それとも彼女自身の意志が介在していたのか。ラントの過去に潜む闇の深さを際立たせています。

【葬送のフリーレン】フラーゼは敵か味方か?
フラーゼはゼーリエのような圧倒的魔力の持ち主ではありませんが、「国家規模の戦略」「治安維持」「暗殺阻止」といった、裏方として物語を動かす重要な役割を担っています。
帝国という巨大な組織において、力のバランスを保つためには、フラーゼのようなタイプの人間こそが必要不可欠です。
彼女は感情を交えず、必要と判断すれば容赦のない決断も下します。そのため、表向きは味方であっても、物語の流れ次第ではフリーレンたちと対立する可能性も否定できません。
また、ラントの過去の真相が明らかになる過程で、フラーゼの過去の行動が再評価されることも十分にあり得ます。
冷静沈着で一切の私情を交えないように見える彼女にも、かつて迷いや後悔があったのではないかと考えられます。
【葬送のフリーレン】魔導特務隊フラーゼまとめ
フラーゼは帝国軍の魔導特務隊隊長であり、国家の安定を陰で支える戦略家です。
広範囲魔力探知という異常な能力を持ち、帝国の治安維持や重要任務に活用しています。
ラントの家族との因縁を通じて、物語の過去と未来、そして権力構造の闇に迫る重要な存在でもあります。
今後、彼女の行動や決断によって、帝国とフリーレンたちの関係が大きく変化する可能性があります。