『忘却バッテリー』は中学時代に“怪物バッテリー”として名を馳せた天才投手・清峰葉流火と捕手・要圭が、要が記憶喪失になったことをきっかけに野球部のない都立高校に入部し、かつて自分たちが挫折させた球児たちと再び野球に打ち込む日々を描いた高校野球漫画です。
『忘却バッテリー』170話では、要圭が捕手としての限界に挑み、氷河高校の4番・巻田との勝負に臨みました。
清峰のスプリットに対する巻田の対応、要の捕球に対する葛藤、そして千早の新たな決意が描かれました。
本記事では、大人気漫画『忘却バッテリー』の171話について感想やレビュー、考察を行っていきます。
Contents
【忘却バッテリー】170話の振り返り
前回の170話では、試合が大きく動きました。
- 要はスプリットを要求し、清峰は全力投球を決意。
- しかし、要の捕球ミスを意識した清峰のスプリットが本来のキレを失う。
- 氷河高校の4番・巻田が打球をとらえるが、千早と山田の好守備によりダブルプレー。
- そして、物語の焦点は千早の決意へと移る。
千早は「智将要圭は嘘つきだ」と語り、自身もまた“やるべきこと”を優先するプレースタイルに葛藤を抱えていました。
【忘却バッテリー】171話の内容
「もう自分に嘘はつかない」千早の決意
千早瞬平はバッターボックスに立ちます。相手投手は氷河高校の絶対的エース・桐島秋斗です。これまで千早は左打席を選んできましたが、それは「脚を活かすため」でした。しかし、この試合で彼は右打席に立つことを決意します。
「もう自分に嘘はつかない」と心の中でつぶやき、バットを握る手に力を込めます。
千早はこれまで確実性を重視し、小技を活かす打撃をしてきました。しかし、今回の試合では新たな挑戦を選びました。
<p彼が右打席を選んだのは、より長打を狙い、自分自身の可能性を試したいという強い思いがあったからだと考えられます。
「千早くんは後悔しないかい?」監督の問い
場面は試合前のベンチに戻ります。監督の佐古が千早に「千早くんは後悔しないかい?」と問いかけます。
監督の目は鋭く、まるで千早の心を見透かしているようでした。
千早は少し黙り込み、「小技を磨くのも好きだし、それに嘘はない。でも…」と考えます。
監督の問いは、千早が自分のプレースタイルに固執しすぎていないかを確認するものでした。
「後悔しないか?」という言葉には、今までのやり方を続けるのか、それとも新たな道を試すのかという深い意味が込められていると考えられます。
「決勝戦だからこそ、挑戦する」
試合の最中、千早は監督の問いを思い出します。彼の選択は、いつものように「確実性」を求めるのではなく、「挑戦する」ことでした。
対峙する桐島は、千早が右打席に立っていることに気づき、挑発的に笑います。「いつからそんなナマイキになったん?」
千早は静かにバットを構えながら、「決勝戦だからこそ、挑戦するんだ」と自分に言い聞かせます。
桐島の挑発は、千早の変化を見抜いた上でのものです。彼は「挑戦する選手」に対して興味を持つタイプであり、千早がどこまでやれるのかを試しているようにも見えます。
「誇りをかけた勝負」
桐島は千早を仕留めるため、完璧なボールを投じます。
その瞬間、千早の中で何かが弾けます。「俺は誇りを持ってやっているんだ」と強く思い、フルスイングします。
打球は高く舞い上がり、センター方向へ一直線に伸びていきます——。
千早はただバットを振ったわけではなく、「自分に嘘をつかない」という強い意志を持ってスイングしました。この打席は、彼にとって新たな道を切り開く大きな転換点となるはずです。
「千早の挑戦の行方」
観客の視線がボールの行方を追います。桐島は「空振りになっていたらアカンやろ」と思いながら、飛球の行方を見つめます。
ボールはセンター方向へ一直線に伸び、ついにフェンスを超えるかどうかの位置まで到達します——!
これは千早にとって最大のチャレンジであり、彼の覚悟が試される瞬間です。打球の行方が試合の流れを左右する重要な場面となるでしょう。
千早は打球を見ながら、心の中で叫びます。「挑戦してみたい!試してみたい!」「間に合うなら、今からでも!」
彼の中で眠っていた「もっと上を目指したい」という気持ちが、ついに表に出ました。
ここで千早は完全に「挑戦する選手」としての道を歩み始めました。彼が今まで「確実性」にこだわっていたのは、ある意味で「安全策」でしたが、今は「可能性」を選び取ったのです。
千早の放った打球は、さらに勢いを増してセンターへ飛んでいきます。観客席からはどよめきが起こり、チームメイトたちも息をのんでいます。
「まだ伸びる…!」
千早自身も、自分の打球の行方を信じて走り出します。
この場面は、千早の挑戦が成功するかどうかの決定的な瞬間です。この一打が試合の流れをどう変えるのか、非常に重要なシーンとなっています。
打球はセンターの頭を超え、グラウンドに着地しました!実況が叫びます。「センターオーバー!二塁打!」千早は二塁ベースへ到達し、安堵の表情を浮かべます。
チームメイトたちは歓声を上げ、「ナイバッチ!」と大喜びします。
千早の選択は正しかった。この一打で、彼は「新たな可能性」を証明しました。
千早がベース上で落ち着いた様子を見せると、チームメイトから声がかかります。
「もっと喜べよ」「二塁打だぞ、上等だろ?」
千早は微笑みますが、心の中では「次こそ」と思っていました。
千早はこの一打に満足していません。むしろ、「もっと打てるはず」と自分に期待しています。これは、彼がさらに成長しようとしている証でもあります。
氷河高校の選手たちは、小手指の勢いに圧倒されつつありました。背中越しに彼らの粘り強さを感じ、「どいつもこいつも、諦めが悪いんだよ……」とつぶやきます。
試合の流れは、小手指高校に傾きつつありました——。
氷河高校はこれまで「強者」として戦ってきましたが、小手指高校の粘り強さに動揺し始めています。
千早の一打が、試合の流れを変える可能性を秘めているといえるでしょう。
まとめ
- 千早瞬平は、左打席を捨てて右打席で挑戦することを決意しました。
- 氷河高校のエース・桐島秋斗との対決が始まりました。
- 千早はセンターオーバーの二塁打を放ち、成長を示しました。
- 氷河高校の選手たちは、小手指高校の粘り強さに圧倒されつつあります。
小手指高校はこの流れを活かせるのか?それとも氷河高校が反撃するのか?試合の行方に注目が集まります。
忘却バッテリー】過去の記事はこちら
過去の話のリンクを張っておきます。過去の考察記事を見たい方はこちらからどうぞ。
169話 | 170話 | 171話 | 172話 | 173話 |
174話 | 175話 | 176話 | 177話 | 178話 |