ロケット商会によるライトノベル作品である『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』は、大罪を犯した者が「勇者」として最前線で戦い続けることを強いられる、「死刑すら生ぬるい」最悪の刑罰をテーマとしています。
物語は、元聖騎士団長でありながら女神殺しの罪で勇者刑に処されたザイロ・フォルバーツが、窃盗犯や詐欺師など性格破綻者で構成された懲罰勇者部隊を率いる過酷な戦記です。
彼は、最強の生体兵器である《剣の女神》テオリッタと契約を交わし、絶望的な状況下での復讐と生存をかけて熾烈な闘争に身を投じます。
2026年冬にはTVアニメ【第1期】の放送が予定されている作品です。
もともと、2025年10月に放送予定でしたが、クオリティ優先のため放送延期となりました。
本記事では、『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』をまだ読んだことがない人へ向けて、簡単に内容が理解できるように分かりやすく解説していきます。
【勇者刑に処す】あらすじ
懲罰勇者部隊と《女神殺し》の元聖騎士団長
主人公のザイロ・フォルバーツはかつて聖騎士団長でしたが、《女神殺し》(対神暴行致死)という大罪を犯し、勇者刑に処されました。
荒々しく凶暴な性格ですが、冷静な判断力と優れた戦闘能力、統率力を持つ人物です。
ザイロが率いるのは、懲罰勇者9004隊という、全員が性格破綻者で構成された部隊です。
そのメンバーは、千件を超える窃盗事件を起こした史上最悪のコソ泥ドッタ・ルズラスや、王宮をサーカス団に売り飛ばそうとした稀代の詐欺師ベネティム・レオプールといった、個性的かつ問題だらけの犯罪者たちです。
《剣の女神》テオリッタとの契約
©ロケット商会過酷な戦いの最前線を駆け抜ける中、ザイロは最強の生体兵器の一人である《剣の女神》テオリッタと出会います。テオリッタは、本来は第十三聖騎士団が運搬し、団長のパトーシェ・キヴィアが契約者となるはずだった、十二体しか存在しないとされていた女神の13番目です。
しかし、彼女が入っていた棺は、衝動的な盗癖を持つドッタによって盗み出され、ザイロの手に渡って起動します。
テオリッタは、聖剣や魔剣といった数多の剣を召喚する能力を持ち、戦闘においては極めて自尊心が高く、承認欲求が強いという性質を持っています。彼女が騎士に求める報酬は「敵を殲滅した暁には、この私を褒め讃え……そして頭を撫でなさい」というもの一つです。
テオリッタはザイロを「我が騎士」として認め契約を交わしますが、その行動原理は、自らを陥れた者への復讐を果たすため、そして絶望的な世界で生き抜くための熾烈な闘争と陰謀の渦中に身を投じることになります。
「刑罰:クヴンジ森林撤退支援」の顛末
物語の一端として描かれる「刑罰:クヴンジ森林撤退支援」では、ザイロとドッタは、圧倒的な数の異形(フェアリー)に囲まれた聖騎士団の決死の撤退を援護する、という無謀な任務に就きます。
この作戦中、ドッタが盗んだ棺から目覚めたテオリッタは、ザイロに契約の代償として彼の血を吸い、「剣の《女神》」としての力を発揮します。ザイロは、聖騎士団が不合理にも撤退せず魔王現象に正面からぶつかろうとしたため、計画を切り替えて魔王の撃破を目指します。
ザイロは、自らに残された聖印(投げナイフを爆弾に変えるザッテ・フィンデや、短時間飛翔に近い跳躍を可能にする飛翔印サカラ)を駆使し、聖印の攻撃を反射する巨大な昆虫型の魔王『オード・ゴギー』に肉薄します。
最終的に、戦闘から逃亡しつつ金目のものを盗もうとしていたはずのドッタが、偶然にも極めて強力な兵器である焦土印を盗んで持参するという、懲罰勇者部隊らしい展開となり、ザイロはこれを用いて魔王を内部から撃破します。
魔王討伐後、現場に駆けつけた本来の契約者である第十三聖騎士団長キヴィア(パトーシェ・キヴィア)は、ザイロが《女神》を盗み、契約したことに激しく抗議します。特にザイロが《女神殺し》の大罪人であることをテオリッタに告げますが、テオリッタは「私が騎士と認めたのです。
これは運命」と返答し、ザイロこそがすべての魔王を討ち果たすにふさわしい騎士だと主張します。
そして、死闘の疲労が残るザイロは、勝利の報償としてテオリッタの頭を撫でることを要求されるのでした。
ザイロは、過酷な世界で生き抜くため、そして自らを貶めた者への復讐を果たすため、この絶望的な刑務記録を突き進んでいきます
【勇者刑に処す】登場人物
| ザイロ・フォルバーツ CV:阿座上 洋平 |
テオリッタ CV:飯塚麻結 |
| ドッタ・ルズラス CV:堀江瞬 |
ベネティム・レオプール CV:土岐隼一 |
| パトーシェ・キヴィア CV:石上静香 |
ノルガユ・センリッジ CV:上田燿司 |
| タツヤ CV:松岡禎丞 |
ツァーヴ CV:福島潤 |
| ライノー | ジェイス・パーチラクト CV: 千葉翔也 |
| ニーリィ CV:日笠陽子 |
フレンシィ・マスティボルト |



