本記事では、大人気漫画『葬送のフリーレン』の139話について感想やレビュー、考察を行っていきます。
前回の138話のラストシーンでは影なる戦士の人物リストに戦士ゴリラが登場し、ザインが目を曇らせていたところで終わっていました。
影なる戦士がゼーリエを狙う理由
魔導特務隊フラーゼの思惑
Contents
現状のおさらい
大陸魔法協会と帝国の関係性について
帝国と大陸魔法協会は長年にわたり不仲な関係にあります。
大陸魔法協会側にも優秀な魔法使いがいるが、意思決定は大魔法使いゼーリエに委ねられいる。
この構造が対立を生んでいいる要因でしょう。
帝国領の帝都アイスベルクで帝国が「ゼーリエ暗殺計画」を企てていることが明らかになりました。
大陸の大部分を支配していた統一帝国の流れを汲む国家です。現在は北側諸国の一国として存在していますが、依然として強力な軍事力と魔法技術を誇っています。
帝国は魔法の軍事転用に積極的で、特に大魔法使いフランメの功績が大きいです。
帝国にはいくつか反乱を防ぐための対魔法使い専門の特務機関がいくつか存在していますが、公式に存在が認められているのは魔導特務隊のみです。
大陸で活動する魔法使いの認可と管理を担う魔法管理団体です。
『生きた魔導書』と称される神話の時代の大魔法使い・ゼーリエが弟子達と共に設立しました。
本部は、聖都シュトラールにありますが、大陸各地に支部が設置されており、フリーレン一行が訪れた北側諸国最大の魔法都市オイサーストには北部支部がありました。
帝都アイスベルグで建国祭の最終日に帝国領と北側諸国の要人たちが集まる、大規模な舞踏会が宮殿で行われることとなり、そこに大陸魔法使いの代表としてゼーリエが招かれることとなります。
その舞踏会でゼーリエが暗殺される可能性があると、帝国で諜報活動をしているリネアールから報告をうけることとなります。
ゼーリエは、影なる戦士という対魔法使いに特化した帝国の極秘暗殺部隊によって暗殺されるとされています。
それぞれの動きについて
フリーレン一行
露天でガゼレに接触したフリーレンは銀貨に追跡魔法を施し、影なる戦士たちの居場所を突き止めようとします。
しかし、影なる戦士の1人シスターロレに追跡魔法を逆探知され、襲撃をうけます。
フェルンが建国祭の花火に紛れてロレを打ち抜き、司令塔を失った影なる戦士は撤退を余儀なくされます。
ユーベル&ラント
帝国がゼーリエの暗殺を目論み、その証拠となる機密文書回収のためラントとユーベルがスパイとして忍び込みます。
ラントは分身魔法で魔導特務隊の隙をつくと、ユーベルが捕えられている塔を切り裂き脱出し、ゼンゼたちのもとへ帰還します。
デンケン
グリュックと一緒に“ヴァイゼにて沙汰を待て”と言われているようで、グリュックに同行する形でデンケンもヴァイゼへと移送されます。
デンケンはどうやら帝国とグリュッグの政争に巻き込まれてしまったようです。
魔導特務隊
魔導特務隊は魔法使いを狩ることに特化した部隊で、普段は帝国の内乱の鎮圧に駆り出されているような部隊です。
建国祭では護衛任務という立場でラントとユーベルと対峙し、スパイとして潜入したラントとユーベルを捕えました。
しかし、ユーベルが閉じ込めている塔を切り裂き、民間人を人質にとる強行手段をとったため、いったん2人を逃すことにします。
影なる戦士
リネアールからの文書で敵の正体が影なる戦士であることが判明しました。
フリーレン一行はリストの人物から、露天であったガゼレやヴァルロスも影なる戦士であることを理解します。
影なる戦士の存在は公式には認められておらず、一般には都市伝説のように語られていましたがどうやら実際に存在することがリネアールの手紙から証明されました。
葬送のフリーレン139話大陸魔法協会の情報共有
リネアールの機密文書を回収し、ゼンゼのもとへ合流したユーベルたちですが、敵の動きについて情報共有をしています。
フェルンはユーベルに魔導特務隊との戦闘魔導特務隊との戦闘内容の詳細を聞いてきます。
戦闘内容ならラントが話した通りだといいますが、フェルンはユーベル自身の見解を聞きたいといいます。
フェルンが魔導特務隊との戦いの中で羽虫のような音が聞こえたんじゃないかというと、ユーベルが思っていた違和感が確信に変わったようです。
羽虫のような音を聞くと、魔力探知が使えなくなり視力が奪われる可能性が高い
ユーベルとの戦闘後、ノイが羽虫のようなものを瓶に入れていたことから、魔道具のようなものかもしれません。
ユーベルは手品のタネが分かったところで脅威がかわることはないといっているので、かなり魔法使いにとっては厄介なものなのでしょう。
葬送のフリーレン139話|影なる戦士の捜索
シュタルクはこの人相書きだけで影なる戦士を探すのか?とフリーレンに聞き、舞踏会は明日なんだからそれまで潜伏してるんじゃねぇか、とシュタルクは言います。
とても広い帝都を人相書きだけで探すのは無理があると思ったのでしょう。
しかし、フリーレンは終始ピリピリした表情で、やらないよりはましだ。暗殺計画を未然に防ぐことができればそれに越したことはないといいます。
フェルンとロレの市街戦後にはフェルンが追跡をしようと試みましたが、魔導特務隊の邪魔が入ったようで影なる戦士の追跡ができず、さらにロレの魔力探知も市街戦の後は引っかからないようで手がかりがない状態です。
フリーレンはフェルンが魔導特務隊から逃げたのは賢明だと言っています。
ザインの動向
一方、ザインは「戦士ゴリラ」を探しに帝都に出かけます。影なる戦士の人相書きに記載されている鍛冶屋クライスが戦士ゴリラに似ているために、葛藤があるのでしょう。
ザインが戦士ゴリラの本名を忘れてしまった理由は、戦士ゴリラがそれ以外の名前で呼ぶと忘れ去られてしまうからという理由で怒るからだそうです。
それ以来、ザインはくだらないこだわりのせいで戦士ゴリラの本名を忘れていました。
ザインは結局、戦士ゴリラを見つけられず、フリーレンのパーティに加わってよいかたずねます。フリーレンは快く承諾しますが、戦士ゴリラを殺さないことは保証しませんでした。
フリーレンにとっては、フェルンやシュタルクの命のほうが大切であり、影なる戦士や魔導特務隊は殺さないように手加減して勝てる相手ではないと思っているからでしょう。
葬送のフリーレン139話|鍛冶屋クライス登場
影なる戦士「鍛冶屋」の名前がついに明らかになりました。その名前はクライス。
ドイツ語で「Kreis」と書き、「人の輪、縁」という意味があるそうです。
ヴァルロスが鍛冶屋のクライスに話しかけていますが、鍛冶屋のクライスはいい迷惑のようです。鍛冶屋のクライスはヴァルロスに早く帰るように言いますが、ヴァルロスはお前の事を嗅ぎまわっている男がいるとクライスに教えます。
そして、ヴァルロスはザインがお前のことを“戦士ゴリラ”と名乗り続ける酔狂な奴だと信じて疑わなかったと教えます。ヴァルロスはザインが“戦士ゴリラ”を探していた時の事を思い出し、僧侶アゴヒゲと言っていた事もクライスに教えます。
葬送のフリーレン139話|ロレの容態を確認するクレマティス
戦意喪失するシスター・ロレ
シスター・ロレはクレマティスの後継者として育てられたようで、小さいころから優秀だったそうです。
しかし、実戦経験が浅く戦闘で攻撃を受けたのは今回の市街戦が初めてだったとのことで戦意喪失してしまいます。
イーリスはシスター・ロレにサンドイッチを用意して食べさせますが、布団からでようとしません。
クレマティスへの報告
ルティーネとイーリスがシスター・ロレの容態について報告に向かいます。
クレマティスは「ロレは復帰できそうか?」と聞きますが、イーリスは「ありゃ無理だ。使い物にならない」と言います。
ロレは死んでいないようですが、戦線復帰するのは時間がかかりそうです。しかし、クレマティスは勝つためには手段を択ばない冷酷な人間なようで、ロレを無理やり戦線復帰させるかもしれません。
以前、イーリスが戦場でヘマをしたときは治療こそしましたが、すぐに戦場へ向かわせました。
葬送のフリーレン139話|ゼーリエ暗殺の理由
レーヴェとの会話
シスター・ロレが戦線に復帰できなくなり、作戦を変更しなくてはならなくなったクレマティス。
レーヴェが指揮官が1人になるが大丈夫か?と尋ねるとロレは自分の後継者として育ててきたのだから今回のはいい経験になるだろうと言います。
後始末くらいは一人でできるはずだと最後に付け加えます。
レーヴェが「何人死ぬ?」とクレマティスにたずねると、「不満があるのなら、影なる戦士の指揮官のあなた自身で指揮をとってもよい」と返します。
しかしレーヴェが影なる戦士の指揮官であることはどうやら肩書だけで、実際の指揮官はクレマティスのようです。
レーヴェは「所詮は人殺ししか能のない無学な戦士よ。俺もまた駒にすぎん」といっていることから、レーヴェは誰かに命令されており、ゼーリエ暗殺計画の黒幕がいることを示唆しています。
ゼーリエ暗殺の理由
クレマティスがレーヴェにゼーリエ暗殺の理由をたずねると、少し間をおいて静かに
「この世から魔法をなくす」と答えました。
葬送のフリーレン139話|フリーレンが看過できない2人の人物
影なる戦士レーヴェ
レーヴェについての情報はリネアールからの機密文書に人相書きが記載がなかったようです。
魔導特務隊フラーゼ
フリーレンが言うには、帝都のすべての事象を監視している何者かがいるとのこと。
この人物が魔導特務隊の隊長であるフラーゼであった。フラーゼの魔力探知は今でも消えそうなくらい繊細で精密。フリーレンでも認識できないくらいに薄い魔力である。
しかしゼーリエが魔力探知が帝都全体を覆い、フラーゼの魔力探知と相互干渉を起こした。
葬送のフリーレン139話|魔導特務隊フラーゼの思惑
フラーゼはカノーネに魔導特務隊が自由に動けるように上に掛け合ったから安心して任務を遂行しなさいと命令しました。
ここから判明したことは、魔導特務隊の隊長であるフラーゼを動かせる存在がいるということ。
以前デンケンが、カノーネに対し、「フラーゼの手綱が握れなくなる」ということが関係していると思われます。デンケンは宮廷魔法使いですから、フラーゼが上に掛け合った人物というのは、国家直属の宮廷魔法使いということになるでしょう。
さらに、フラーゼは舞踏会は平和の象徴であり、影なる戦士の介入はあってはならないと言っています。このセリフから魔導特務隊は影なる戦士と対立関係であることが分かっています。
また、カノーネがフラーゼに対し、大陸魔法協会と影なる戦士が戦闘を開始した場合は如何なさいますか?と問うと、「私達国家権力による武力行使を除いて、この国に殺し合いを許す法はありません」といい、国家権力を味方につけた私達なら武力行使をおこなってもよいとカノーネに戦闘を許可しています。