『Dr.STONE』は、稲垣理一郎が原作、Boichiが作画を担当するSFサバイバル漫画です。
科学をテーマにした独創的なストーリーと熱い展開で、多くのファンを魅了してきました。
しかし、2022年に迎えた最終回については、賛否が分かれています。
一部の読者からは「感動的な締めくくりだった」という声がある一方で、「急展開すぎる」「納得がいかない」といった批判的な意見も多く見られます。
この記事では、『Dr.STONE』の最終回がなぜ「ひどい」と言われるのか、その理由を詳しく解説していきます。
Contents
【ドクターストーン】最終回の内容
『Dr.STONE』の最終回(Z=232)では、千空たちが月に到達し、「ホワイマン」と対峙する場面から始まります。
ホワイマンの正体は、宇宙からやってきた機械生命体の集合体であり、彼らは「石化による永遠の命」を知的生命体に与えることで、自らの維持と繁殖を行う存在でした。
千空たちは交渉を試みますが、ホワイマンたちの大半は他の知的生命体を求めて再び宇宙へ飛び立ちます。
しかし、一体だけが千空の提案を受け入れ、地球に留まることになります。この後、千空たちは地球に帰還し、人類の復興を進めます。
数年後、復興が進んだ世界では、かつて石化していた人々も続々と復活。大樹と杠は結婚式を挙げ、物語の一区切りを迎えます。一方、千空は新たな科学技術の開発に着手。
その最たるものが「タイムマシン」の研究でした。
物語の最後、千空は「唆るぜ、これは!!!」と呟きながら、新たな科学の挑戦へと踏み出すのです。
【ドクターストーン】最終回がひどいと言われる理由
理由1:ホワイマンの正体が拍子抜けだった
『Dr.STONE』における最大の謎の一つが「ホワイマン」の正体でした。物語の後半で、「ホワイマンは月からの電波を発している」ことが判明し、千空たちはロケットを開発して月へと向かいます。
読者の間では「ホワイマンは人類の創造主では?」「石化現象の真の目的とは?」といった多くの考察が飛び交いました。
しかし、実際に明かされたのは、「宇宙から飛来した機械生命体の群れだった」というシンプルなものでした。
- 石化現象は人類を救うためではなく、ホワイマン自身の維持のためのものだった
- ホワイマンは知的生命体を利用して自らを複製・修復しようとしていた
- 交渉の結果、大半のホワイマンは宇宙へ帰還し、1体だけが地球に残った
これに対し、「もっと壮大な伏線があると思っていた」「過去のメッセージは何だったのか?」といった不満の声が多く上がりました。
最終決戦というほどの戦いもなく、あっさりと解決してしまった点も拍子抜けした理由の一つです。
理由2:石化技術の応用が急展開すぎた
最終章では、石化装置の特性がさらに解明され、「石化→解除」を繰り返すことで人体の治癒や延命が可能であることが明かされました。
これにより、
- 氷月の完全蘇生(明らかに死亡していたキャラが復活)
- 永遠の命が現実的に可能になるという示唆
- ディストピアの可能性についての議論がほぼ行われなかった
といった展開が生まれました。
「もし石化技術が一般化すれば、人類社会はどうなるのか?」という問いに対し、作中ではほとんど議論がなされず、単純に「科学の進歩」として扱われてしまった点が物足りなかったという意見もあります。
理由3:タイムマシン開発という結末に違和感
最終回の最大のサプライズは、「千空がタイムマシンの開発を決意する」という点でした。
これまでの『Dr.STONE』は、
- 現実に基づいた科学技術の再構築
- 実際に可能な技術の発展過程を描く
ことをテーマにしていました。しかし、「タイムマシン」という明らかにSF色の強い技術を持ち出したことで、一部の読者から「作品の方向性がブレた」との指摘がありました。
また、
- 過去を変えることで、今までの物語が無意味になる可能性
- タイムトラベルによって、これまでのキャラクターの成長や苦労が帳消しになりかねない
といった懸念もあり、「この終わり方は安易すぎるのでは?」という意見も多く見られました。
理由4:キャラクターの掘り下げが不足していた
『Dr.STONE』には多くの魅力的なキャラクターが登場しましたが、最終回に至るまでの描写が不足していたため、一部のキャラクターの扱いが物足りないと感じる読者もいました。
- 大樹と杠の結婚があっさり描かれすぎた
- 司や龍水、ゲン、クロムといった主要キャラの未来が描かれなかった
- 千空と父・百夜の関係が、結局あまり深掘りされないままだった
大樹と杠は長年の付き合いだったのに、詳細なエピソードが少なかったという意見が多くありました。
また、司や龍水といった人気キャラについては、最後にどのような道を歩むのかがしっかり描かれなかったため、「彼らのその後が知りたかった」と不満を持つファンもいました。
【ドクターストーン】最終回が持つ意義とは?
一方で、最終回を肯定的に評価する声もあります。
- 「科学の発展は終わらない」というメッセージがしっかり伝わった
- 千空が最後まで「科学のロマン」を追求し続けたのは作品らしい締めくくりだった
- 続編やスピンオフの可能性を残した終わり方だった。
作品のテーマである「科学と人類の進歩」という点では、最終回も一貫しており、決して悪い結末ではなかったという意見もあります。
【ドクターストーン】最終回がひどいと言われる理由についてまとめ
『Dr.STONE』の最終回が「ひどい」と言われる理由をまとめると、
- ホワイマンの正体があっさりしていた
- 石化技術の応用が急展開すぎた
- タイムマシンというテーマが唐突だった
- キャラクターの掘り下げが不足していた
ホワイマンの正体が「宇宙から飛来した機械生命体」だったことは、長年の伏線に対して期待外れと感じた読者も多かったです。
また、最終決戦と呼べるような戦闘シーンがなく、交渉であっさりと解決してしまった点も物足りないという意見がありました。
石化と復活の過程で「不老不死」や「完全な蘇生」などの可能性が示唆されましたが、それに関する掘り下げが不足していたように感じます。
最後に「タイムマシン」というSF的な要素が加わったことで、作品の方向性が変わってしまったと感じる読者が多く、過去改変の可能性が示唆されたことで、これまでの物語の意味が変わってしまうのではないかという懸念もありました。
大樹と杠の結婚があっさり描かれたほか、司や龍水、ゲン、クロムといった人気キャラの未来が十分に描かれなかった点も不満の一因となっています。
とはいえ、『Dr.STONE』はジャンプの歴史に残る名作であることに変わりはありません。
最終回の評価には賛否がありますが、「科学の進歩は止まらない」というテーマを貫いた点は、多くの読者にとって魅力的だったのではないでしょうか。
