『薬屋のひとりごと』は、後宮を舞台に、薬や毒の知識を持つ猫猫(マオマオ)が次々と事件や謎を解き明かしていくミステリー要素と、宦官・壬氏(ジンシ)をはじめとする個性豊かな人々との複雑な人間模様が魅力の作品です。
2023年10月にはアニメ化され、2024年1月時点でシリーズ累計発行部数は3100万部を突破するなど、圧倒的な人気を誇っています。
本記事では、壬氏のプロフィール、猫猫と壬氏の関係・恋模様を解説していきます。
Contents
【薬屋のひとりごと】壬氏のプロフィール

壬氏は、後宮で強い権力を持つ宦官のひとりであり、物語の中心人物のひとりです。
数え23歳の彼は、「天女のような顔」と「甘い蜂蜜のような声」を持つ絶世の美男子で、その容姿と声で道行く人々を男女問わず魅了してしまうほどの蠱惑的な存在です。
しかし、ただの美貌の持ち主ではありません。
国の重要人物とも深い関わりを持つ謎めいた人物であり、猫猫の優秀さに目をつけ、彼女を玉葉妃の侍女に推挙してからは、後宮で起こる数々の事件解決に彼女を頼るようになりました。
壬氏は、周囲からチヤホヤされることが当たり前だったため、猫猫の邪険な態度をむしろ楽しむようになっています。
彼女に毛虫を見るような冷たい目を向けられることさえ快感に感じているようで、従者の高順からも「変態じみている」と難色を示されていました。
壬氏は文武両道で、宮廷では暇人と思われていましたが、外廷では大量の仕事を裁く姿を猫猫に目撃され、認識を改められました。
また、たおやかな顔立ちに反して筋肉質で均整の取れた体つきを持っており、武芸の鍛錬にも励んでいました。
その一方で、自身の容姿と才能については「努力しても常に『優』止まり」と自己評価しており、天性の美貌以外は秀でたものがないと皮肉に思っていました。
しかし、これらの美貌も外交や政治の場で「道具」として利用する覚悟を持ち、時には華麗な装いのまま川を泳ぎ切るような体力も見せています。
【薬屋のひとりごと】壬氏の正体が明らかになるまで
『薬屋のひとりごと』の序盤から、壬氏の正体を示唆する数々の伏線が張り巡らされていました。
序盤からの伏線
- 宦官でありながらも、後宮内外に強い権力を持つ異例の立場。
- 猫猫への執着や関心が常軌を逸するほど強かった。
- 彼の美貌と気品が、一般的な宦官のイメージとかけ離れていた。
さらに、壬氏が所持していた麒麟の簪(かんざし)は、皇族などの特別な血筋の者しか持つことが許されない非常に貴重な品でした。
この簪は、麒麟の細かな彫刻が施された豪華絢爛な装飾品であり、王族の証とされるものでした。
その簪を持つということは、ただの宦官ではなく、皇室に非常に近い立場にあることを示唆していました。
また、この簪は一度見ただけでも皇族の血筋を証明できるほどの価値があり、壬氏が自分の正体を知られぬよう慎重に振る舞っていた理由のひとつでもありました。
さらに、麒麟の彫刻は、古来より聖なる守護者とされ、権威と威厳を象徴するものでもあります。
壬氏がこの簪を所持していたことで、猫猫は壬氏がただの宦官ではなく、特別な身分である可能性を早い段階で猫猫は察していました。
しかし、壬氏が簪をあえて猫猫に見せたのか、それとも無意識のうちに彼女に気づかせたのか、その意図は明らかではありませんでした。
結果的に、この簪の存在が後に壬氏の正体を明らかにする大きな手がかりとなります。
明かされた真実
物語が進む中、第36話「華瑞月」にて、ついに壬氏の正体が明らかになりました。彼の本名は 華 瑞月(カ・ズイゲツ) であり、皇帝の弟で皇位継承権を持つ人物だったのです。
華瑞月としての彼は、病弱という名目で政務から遠ざけられ、公の場では素顔を隠していました。
そのため、壬氏と同一人物であることを知る者はごくわずかでした。宦官として後宮入りした真の目的は、自身の容姿と役職を利用して、皇帝に逆心を抱く者たちを炙り出すことでした。
しかし、彼は皇位継承権の最有力候補でありながら、皇帝の座に就くことを望んでおらず、後宮の安定と跡継ぎの育成に専念することで早く候補から外れることを願っていました。
【薬屋のひとりごと】壬氏と猫猫の関係

壬氏が猫猫に惹かれる理由
- 猫猫の聡明さと媚びない態度
- 時折みせる好奇心
- 独特なユーモアの持ち主
壬氏が猫猫に対して異常なまでの関心を寄せる理由は、彼女の聡明さと媚びない態度にあります。
美貌にも身分にも惑わされず、必要とされる成果を確実に出す猫猫の冷静さと有能さに、壬氏は新鮮さを感じていました。
彼女は美しい容姿や権力に屈することなく、理知的な判断で周囲の状況を見極め、的確に行動するため、壬氏にとっては特別な存在になっていったのです。
さらに、猫猫が彼を特別扱いせず、時には邪険に扱う態度も、壬氏にとっては魅力的でした。
周囲の女性たちから常に崇拝の目で見られてきた彼にとって、猫猫の素っ気ない反応は「普通」であることの証であり、むしろそこに惹かれてしまったのです。
また、猫猫の知識欲や探究心、時折見せる無邪気な好奇心も、壬氏には新鮮で興味深いものでした。
壬氏は、猫猫が自分の身分を気にせずに接してくれることに安堵感を覚えていました。
それは、彼が皇族として特別視される立場ではなく、一人の人間として向き合ってくれる猫猫の存在が心の支えになっていたからです。
猫猫の素直な反応に触れることで、壬氏は次第に自分自身を取り繕う必要がなくなり、彼女の前では本音を見せられるようになったのです。
また、壬氏は猫猫の独特なユーモアにも心惹かれていました。
彼女の時折見せる皮肉交じりの返答や、物事を淡々と受け止めながらも的確な観察眼で核心を突く態度は、壬氏にとって新鮮で刺激的でした。
このように、猫猫の飾らない態度と卓越した洞察力が、壬氏の心をますます引き寄せていったのです。
二人の関係の進展

物語の進行とともに、壬氏は猫猫に対する単なる興味以上の感情を抱くようになりました。
簪を渡したことで自分の執着心を間接的に示した壬氏は、猫猫が危険にさらされるたびに身を挺して彼女を守ろうとします。
猫猫に対して時折見せる優しさや配慮は、ただの主人と侍女の関係を超えた深い感情を映し出していました。
壬氏は、猫猫の安全を何よりも優先しており、彼女が少しでも危険な目に遭う可能性があれば、自ら危険を冒してでも守ろうとしました。
猫猫が毒に冒された際も、壬氏は彼女の命を救うためにあらゆる手を尽くしました。
このような壬氏の行動は、猫猫への単なる執着ではなく、彼女の存在そのものが彼にとってかけがえのないものとなっていることを示していました。
一度は猫猫を解雇せざるを得ない状況に陥りましたが、再雇用する際には彼女を手放せない自分の気持ちを隠しきれませんでした。
解雇の際、壬氏は猫猫の身を案じた結果、あえて距離を取ろうとしましたが、彼女が遠ざかることで生じた喪失感は彼にとって耐え難いものでした。
最終的に彼女を再雇用したとき、壬氏の安堵の表情は隠しきれませんでした。
高順だけでなく、玉葉妃(ぎょくようひ)でさえ「後悔しても知らないわよ」と忠告していたことからも、壬氏の猫猫への強い執着心は周囲にも気づかれていました。
特に玉葉妃は、壬氏の態度から単なる好意以上のものを感じ取り、彼が猫猫に心を奪われていることを見抜いていたのです。
さらに、壬氏自身も猫猫への想いを自覚するにつれ、彼女の存在が自分の生き方や考え方に大きな影響を与えていることに気づき始めていました。