『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』に登場するエリオット・ハワードは、リディル王国の名門校セレンディア学園の生徒会書記を務めています。
エリオット・ハワードは、身分階級主義の思想を強く持ちますが、フェリクスには敬語を使いません。
本記事では、『エリオット・ハワード』の人物像、エリオットの過去について詳しく解説していきます。
また、『サイレント・ウィッチ』の見どころ・あらすじについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
Contents
【サイレント・ウィッチ】エリオットのプロフィール

氏名 | エリオット・ハワード |
---|---|
身分 | ダーズヴィー伯爵家長男 |
思想 | 身分階級至上主義 |
性格 | 自分にも他人にも厳しい。 |
貴族としての背景と信念
エリオットは、ダーズヴィー伯爵家の長男であり、高等科三年生です。
彼は厳格な身分階級主義の思想を強く持ち、「貴族は貴族らしく、平民は平民らしく」という信念のもとに行動しています。
この思想は、物語の世界観における厳格な身分制度と、エリオット自身の生き様を象徴するものです。
彼の性格は、他人にも自分にも厳しく、その言動には、自身の身分にふさわしい責任感と誇りが込められています。
一方で、彼の厳格さは、自由奔放なフェリクス王子や平民出身のシリルといった生徒会メンバーとの間に軋轢や葛藤を生む原因にもなっています。
【サイレント・ウィッチ】エリオットとモニカのチェス対決
エリオットは、当初、素性が怪しいモニカ・ノートンのことを快く思っていませんでした。彼はモニカの「身の丈」を測るため、チェスのワンゲーム勝負を挑みます。
彼はハンデとしてクイーン抜きで勝負に臨みますが、モニカは初めてルールを知ったばかりにも関わらず、まるで教本のような正確で無駄のない指し筋を見せます。
追い詰められたエリオットは、まだモニカに教えていない特殊なルール「キャスリング」を使って勝利します。
モニカが怒る権利があるにもかかわらず、怒らずに「簡単って言って、ごめんなさい」と謝罪し、チェスが難しかったと語ったことにエリオットは愕然とします。この出来事を通じて、エリオットはモニカに一目置くようになります。

【サイレント・ウィッチ】フェリクス王子との複雑な関係と過去
エリオット・ハワードは、第二王子フェリクス・アーク・リディルとは幼少期からの付き合いです。
この関係は、エリオットの人間的な感情を掘り下げる上で不可欠です。
→フェリクスについての解説記事を読む
過去の因縁と深い絆
エリオットとフェリクスの関係の核心には、幼少期に起きた重大な出来事が存在します。
幼少期のエリオットの態度
幼少期のエリオットは「結構なクソガキ」であり、病弱で勉強や運動が苦手な本物のフェリクス王子を見下し、意地悪をしていました。
大怪我の事件
エリオットは、フェリクスが大切にしていた本を木の上に隠し、従者に頼らず自分で取りに行かせるという意地悪をしました。その結果、フェリクスは木から落下し、脇腹に一生残る大怪我を負いました。
フェリクスの庇護
エリオットは死罪を覚悟して震えていましたが、フェリクスはエリオットを責めることなく、「自分がふざけて怪我をした」「木登りが上手にできない自分が悪い」と庇いました。
エリオットの心境の変化
この一件により、エリオットは弱虫で泣き虫だが誰よりも心優しい本物のフェリクス王子を深く慕うようになりました
「偽王子」の秘密を知る唯一の人物
現在のフェリクス(本名:アイザック・ウォーカー)は、本物の王子ではなく、クロックフォード公爵の陰謀により王子に成り代わった元従者です。
→アイザック・ウォーカーについての解説記事を読む
エリオットは、この「偽王子」の真実を知る数少ない人物(公爵と関係者以外で唯一)です。
エリオットは、療養(入れ替わり)から戻ったフェリクスが、以前の頼りない彼とは似ても似つかない完璧な王子になっていたことに違和感を覚えました。
彼は、新しい「フェリクス」の目に、かつての従者(アイザック)がエリオットに向けていた「嫌悪」が一瞬滲んだのを見逃さず、彼が偽物だと確信しました。
アイザックは、本物のフェリクスが「自分(アイザック)を逃すために自ら命を絶った」(アイザックの誤解)と語り、フェリクスの名誉を守るために優秀な王子として成り代わったことをエリオットに明かしました。
同時に、この秘密を漏らせばハワード家を滅ぼすと警告しています。
現在の関係性と「敬語を使わない理由」
エリオットの言動は、彼がアイザックの正体を知っていることに基づいています。
身分階級主義と敬語の矛盾
エリオットは「貴族は貴族らしく、平民は平民らしく」という身分階級主義の思想を強く持つ人物ですが、生徒会長であるフェリクス(アイザック)に対して敬語を使いません。
真実の露呈
モニカがこの矛盾に気づき、エリオットに理由を尋ねると、エリオットは偽物の王子だと知っていたためだと答えました。
この時、彼はかつてモニカに「才能を持って生まれた平民は、ずる賢い人に利用され、人生を狂わされる奴を一人知っている」と語った言葉がアイザックのことであると示唆しています。
傍観者としての立場
エリオットは、王族を騙るアイザックの行く末を傍観者として見届け、彼が破滅したら盛大に嘲笑ってやる、とアイザック本人に宣言しています。
アイザックへの理解
しかし、アイザックが中央兵に偽王子として逮捕された際、エリオットは、アイザックにとって最も大切なのは「本物のフェリクス王子の名誉」であるため、取り調べで公爵の関与や入れ替わりの真実を洗いざらい話すことはなく、「英雄王子を殺した罪人として死ぬことを選ぶだろう」と断言し、アイザックの覚悟を正確に理解していました。
このように、エリオットとフェリクス(アイザック)の関係は、表向きは幼馴染であり生徒会の役員同士という信頼関係でありながら、その裏では、エリオットが貴族の誇りを守るために偽物を拒絶しつつも、深い因縁と秘密を共有し、アイザックの決意を見守るという、複雑な緊張感と深い人間的な感情が交錯する関係性となっています。

【サイレント・ウィッチ】登場キャラクター
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