『Fate/strange Fake』は、TYPE-MOONの『Fate』のスピンオフ作品であり、その壮大な物語と緻密な設定から多くのファンを魅了しています。
しかし、インターネット上ではしばしば「打ち切りになったのではないか」という噂や憶測が流れることがあります。
結論から述べると、『Fate/strange Fake』は現在も刊行中の作品であり、打ち切りにはなっていません。この「打ち切り説」は、主に原作小説とコミカライズ版の「刊行ペースの遅さ」、特に漫画版の不透明な出版スタイルと、原作者の体調に関する情報が原因で発生していると考えられます。
本記事では、打ち切り説が生まれた背景と、現在の作品の状況を解説します。
Contents
【Fate/strange Fake】打ち切り説が浮上した主な理由
©成田良悟『Fate/strange Fake』の打ち切り説が広まった背景には、複数の要因が絡み合っています。
漫画版の極端な刊行遅延と不透明な出版形態
「打ち切りでは？」という不安が最も顕著に現れているのが、森井しづき氏によるコミカライズ版です。
刊行ペースの遅さ
漫画版は現在5巻まで刊行されていますが、最新刊である5巻の発売日が2022年2月10日であるのに対し、2025年現在も次巻の情報は未定の状態が続き、ファンからは2年以上更新がないことが懸念されています。
不定期な刊行スタイル
コミカライズ版は、通常の雑誌で連載されているのではなく、TYPE-MOON BOOKSから不定期で直接刊行されるという、見えにくい出版の仕方をとっています。
このため、明確な連載スケジュールが存在せず、ファンは継続の見通しが立てにくい状況にあり、これが「打ち切りではないか」という不安に直結しています。
漫画版における作画コストの高さ
『Fate/strange Fake』は、美麗なアクションシーンや、複雑な魔術戦を描くことが魅力の一つですが、その分、漫画版の作画コストが非常に高負担になっていると考えられています。
複雑な魔法陣やサーヴァントの戦闘描写を忠実に再現するには、膨大な時間と労力がかかるため、連載ペースを維持するのが困難となり、結果的に刊行ペースが遅くなり、「打ち切り」の誤解を生む原因になっています。
原作者・成田良悟氏の体調不良
原作ライトノベルを執筆する成田良悟氏が、過去に度々体調不良を公表し、新刊の発売が延期された経緯があります。
成田氏は『バッカーノ！』や『デュラララ!!』など、他にも多くの人気シリーズを抱えており、執筆スケジュールが常に過密な状況です。
このため、『Fate/strange Fake』の刊行間隔も空くことがあり、読者が物語の続きを読めるか不安になる要因となっています。
【Fate/strange Fake】現在の作品の状況と継続の証拠
打ち切り説とは裏腹に、『Fate/strange Fake』は現在も活発に展開が続いており、重要なメディアミックスが進められています。
原作ライトノベルは連載中
成田良悟氏による原作ライトノベル（電撃文庫刊）は、未完結のシリーズとして刊行が続いています。
• 最新刊: 2024年3月8日に第9巻が発売されています。
• 長期連載の構想: 物語のスケールは巻を追うごとに拡大しており、序盤の3巻時点ですらようやく全ての役者が揃った段階であり、その構想が長大であることがうかがえます。
最新巻（9巻）の感想でも、主要な陣営の結末だけで10個近くの要素が気になっており、10巻で完結するのか疑問視されているほどです。
• 発売間隔: 7巻から9巻にかけても、約1年程度の周期で刊行されており、長期連載のペースで進行しています。
コミカライズ版のリニューアル刊行が決定
刊行が遅れていたコミカライズ版は、2026年1月からのTVアニメシリーズ放送に先立ち、『新装版 Fate/strange Fake』としてリニューアル刊行されることが発表されました。
リニューアル詳細
2025年12月27日（土）に第1巻が刊行開始され、その後2026年2月から5月にかけて連続刊行される予定です。これはアニメ化を記念した動きであり、コミカライズ版に対する製作側の継続的な投資と意欲を示しています。
TVアニメシリーズの本格始動
最も強力な打ち切り否定の証拠は、大型アニメプロジェクトの継続です。
TVスペシャル
2023年7月2日には、原作小説1巻の内容をほぼ映像化したTVスペシャル『Fate/strange Fake: Whispers of Dawn』（実質的な序章）が放送されました。制作はA-1 Picturesが担当し、高いクオリティでファンを魅了しました。
TVシリーズ化
このスペシャルを受けて、TVアニメシリーズの制作が発表されました。当初2025年放送予定でしたが、2026年1月3日より放送開始予定とされています。
監督の榎戸駿氏、坂詰嵩仁氏、音楽の澤野弘之氏といった主要スタッフが続投しており、そのプロモーション戦略からも、本作が製作陣にとって極めて重要なプロジェクトとして位置づけられていることがわかります
【Fate/strange Fake】打ち切り説についてまとめ
『Fate/strange Fake』の「打ち切り説」は、漫画版の不定期刊行による見えづらさと、作品のクオリティ維持に伴う制作・執筆ペースの遅さから生じた誤解です。
原作小説は第9巻まで刊行されており、そして待望のTVアニメシリーズが2026年1月3日より放送開始されることからも、この物語が現在も進行中であり、長期にわたって展開される大作としてファンに愛され続けていることが証明されています。
ファンには、打ち切りを心配するよりも、「超長期連載」として気長に見守る姿勢が求められていると言えるでしょう。
