『ワンパンマン』の中でも特に長く、壮大なスケールで描かれる「怪人協会編」。
ヒーロー協会と怪人協会の全面戦争が勃発し、S級ヒーローたちの限界や結束、そして主人公サイタマの圧倒的な存在感が改めて示される重要な物語です。
この記事では、怪人協会編のあらすじ、主要キャラクター、そしてファンからの評価などを解説します。

【ワンパンマン】怪人協会編のあらすじ

物語は、ヒーロー協会の幹部の息子が人質に取られ、怪人協会が宣戦布告することから始まります。
これに対し、ヒーロー協会はS級ヒーローを中心としたチームを結成し、怪人協会の本拠地であるZ市の地下へと突入します。
そこでは、怪人王オロチや参謀のサイコス(ギョロギョロ)、そして黒い精子やホームレス帝といった災害レベル「竜」の幹部たちが待ち構えており、ヒーローたちは壮絶な死闘を繰り広げます。
この戦いには、ヒーロー狩りを続けるガロウも深く関わります。当初はヒーロー協会と敵対していましたが、彼が気にかける少年が怪人協会にさらわれたことで、少年を救うために単独で怪人協会のアジトへ乗り込みます。
その結果、物語は「ヒーロー協会 vs 怪人協会 vs ガロウ」という三つ巴の激しい戦いへと発展していいきます。
【ワンパンマン】主要な登場人物と勢力

怪人協会編では、多くのキャラクターが複雑に絡み合います。
ヒーロー協会
S級ヒーローたち
戦慄のタツマキ、シルバーファング、アトミック侍といったトップクラスのヒーローたちが総力戦を繰り広げます。
特にリメイク版の漫画では、原作になかった戦闘シーンが追加され、各ヒーローの実力や個性がより深く描かれています。
サイタマとジェノス
サイタマは当初、この戦いに関わっていませんでしたが、怪人協会が起こす騒音をきっかけに地下へ潜入します。
ジェノスは師であるサイタマを追い、他のヒーローたちと共に戦います。
怪人協会
怪人王オロチ
リメイク版漫画オリジナルのキャラクターで、怪人協会の首領。元々は人間でしたが、サイコスの実験によって怪人化し、「地球上最強の生物」と称されるほどの強さを誇ります。
サイコス
怪人協会の参謀で、強力な超能力者。普段は「ギョロギョロ」という肉人形を操っています。リメイク版では神の力を得てオロチと融合し、タツマキと壮絶な戦いを繰り広げました。
災害レベル「竜」の幹部たち
黒い精子、ホームレス帝、ブサイク大総統など、S級ヒーローを苦しめる強力な怪人たちが多数登場します。
ガロウ
元シルバーファングの一番弟子で、ヒーローを憎み「ヒーロー狩り」を行います。戦闘の中で急成長を遂げる天才的な武術家であり、この編のもう一人の主人公とも言える存在です。戦いを通して怪人化への渇望を強めていきます。
【ワンパンマン】原作とリメイク版の違い

怪人協会編は、ONE先生による原作(WEBコミック版)と、村田雄介先生によるリメイク版(漫画版)で展開が大きく異なり、ファンの間でも様々な意見が交わされています。
→こちらの記事で、ワンパンマンの炎上の理由について解説しています。
評価されている点
- 漫画版独自の追加要素
- キャラクターの深掘
- 伏線の追加
漫画版独自の追加要素
リメイク版で追加された怪人王オロチの存在は、ガロウが序盤で戦線離脱する理由付けや、タツマキが真の実力を発揮する相手として、物語の問題点を修正したと評価されています。
キャラクターの深掘り
S級ヒーローや怪人協会の幹部たちの戦闘シーンが増えたことで、キャラクターの能力や性格がより深く描かれ、物語に緊張感と魅力を加えたという意見があります。
伏線の追加
「神」やS級1位ヒーロー「ブラスト」といった、今後の物語の核心に関わる要素が巧みに盛り込まれ、シリーズ全体の展開への期待感を高めています。
賛否が分かれる点
- 物語の引き延ばしとペース配分
- 「神」の過剰な介入
- 描き直しによる変更
物語の引き延ばしとペース配分
リメイク版は追加要素が多いため、物語の進行が遅く、冗長に感じられるという批判があります。特に、原作よりも長くなったガロウの地上戦は「退屈で不要だった」との厳しい意見も見られます。
「神」の過剰な介入
多くの怪人が「神」によってパワーアップする展開は、物語の焦点をガロウから逸らし、キャラクター自身の強さや魅力を損なっていると感じるファンもいます。
描き直しによる変更
「童帝 vs フェニックス男」の戦いにサイタマが登場したことで緊張感が失われたり、「アマイマスク」のキャラクター性が薄れたりと、一部の描き直しが物語を悪化させたと指摘されています。
一方で、これらの変更は後の展開に必要な伏線であり、改善点だと捉える声もあります。