2025年秋アニメの注目作『ワンパンマン 第3期』がついに放送開始となりました。
長年のファンの期待を一身に背負った本作は、前作から6年という長い年月を経ての復活です。
2025年10月から放送が開始されたアニメ『ワンパンマン』第3期は、原作でも特に人気の高い「怪人協会編」を描く待望のシーズンでした。
しかし、放送開始直後から国内外のファンコミュニティで評価が低迷し、「期待外れ」「完全なる失敗策」といった厳しい意見が飛び交う事態となっています。
ファンが第3期に対して低い評価を下している主な要因は、制作体制の変更による作画クオリティの低下、期待値が高すぎた原作のストーリー、そして監督・演出への不安の3点に集約されます。
本記事では、ワンパンマン3期での評価について詳しく解説していきます。
Contents
【ワンパンマン】制作会社の変更と作画クオリティの劇的な低下
『ワンパンマン』第3期の評価低迷の最大の原因は、アニメーション制作体制の変更とそれに伴う映像品質の劣化です。
伝説の第1期(マッドハウス)との比較
アニメ第1期(2015年放送)は、制作会社マッドハウスのもとで、「神作画」と語り継がれるほどの伝説的なアクションクオリティを実現しました。
しかし、この第1期の制作は、多くの優れたアニメーターが集結した「情熱的なプロジェクト」あるいは「奇跡」のようなものであり、一般的な深夜アニメと変わらない予算ながら実現したという背景があったとされています。
第2期・第3期の制作会社(J.C.STAFF)への不満
第2期および第3期の制作は、J.C.STAFFが担当しています。J.C.STAFFは『とある魔術の禁書目録』や『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』などのヒット作を手掛けていますが、アクション作画を得意とするイメージがないという点で、ファンからは厳しい視線が向けられていました。
実際に、第3期の放送が始まると、ファンからは以下のような具体的な批判が上がっています。
「止め絵」の多用とアクション不足
第3期第1話は、戦闘シーンがほとんどなく、キャラクターがひたすら座ったり立ったりして会議や準備を話し続ける展開でした。
予告編の時点でも動きが少ないとして「プリアニメ疑惑」や「静止画のスライドショーではないか」といった懸念が広がっていました。
映像の質感の劣化
作画が「モッサリのっぺりしている」「古臭い」と感じるファンも多く、第2期と同様にクオリティが低いという評価です。
海外での厳しい批評
海外のファンからは「ワンフレームマンになってしまった」「ベルセルク2016レベルに近づいている」「地味すぎる」「退屈」「インパクトがない」といった、非常に厳しいコメントが殺到しました。
海外では、第1話が「完全なる失敗策」であり、シリーズの「緩やかな衰退を加速させている」と見られています。
続く第2話では一部アクションが描かれましたが、依然として盛り上がりに欠けるとの指摘が続出しています。また、動きのキレや演出の迫力が第1期・第2期と比較される形で評価されており、「第2期の方がマシだった」という声も一部で見られました。
【ワンパンマン】監督の炎上と制作体制への不安
アニメ第3期の評価が下がるきっかけの一つとして、監督をめぐる炎上と、それに続く監督自身の謝罪がありました。
第3期の監督には永居慎平氏が起用されました。この監督はアクション描写に定評がない人物であったため、発表時にファンから大きな批判(大炎上)を浴びました。
監督による異例の謝罪
炎上を受け、永居監督自身が、正体を隠していたことを明かし、英語で謝罪するという異例の対応を取りました。
この謝罪には「誠意を感じる」という肯定的な反応もあったものの、放送開始前から制作体制の不安を露呈する形となり、ファンの期待値をさらに揺るがす結果となりました。
また、制作会社が第2期から続投のJ.C.STAFFであること、そして事前PVに戦闘シーンがほとんどなかったことは、「また時間がないから急いでいるのだろう」という憶測を呼び、不安を煽りました
【ワンパンマン】高すぎる期待と原作改変の問題
第3期で描かれる「怪人協会編」は、原作ファンにとって「最もアニメ化を望んでいたパート」であり、S級ヒーローと怪人幹部たちの激闘が連続するシリーズ屈指のクライマックスです。
ファンは、タツマキ対サイコス・オロチ合体体、ゾンビマン対ホームレス帝、そしてサイタマ対ガロウといった、村田雄介氏による超ハイクオリティな作画で描かれた名バトルが、第1期のような「劇場版クラスの作画」で再現されることを強く期待していました。
しかし、アニメ第3期が、この期待に見合う作画クオリティを提供できていないと認識されたため、その期待と現実のギャップが、評価の低さとして現れています。
特にアクションがほぼ全てである『ワンパンマン』にとって、作画がダメであれば何を楽しめば良いのか、という意見も見られます。
原作(リメイク版)の評価に対する不安
さらに、アニメ第3期はリメイク版(村田版)をベースにしていますが、そのリメイク版の原作自体が、特に「ガロウ編」においてストーリー展開の改変や、過去に掲載された内容の削除・描き直し(リドロー)を行ったことで、ファンからの批判や混乱を招いていました。
そのため、「原作の展開自体がブレている」という不満が、アニメの制作品質への不満と重なり、「原作→村田→アニメでさらにダブルパンチ」といった構造的な失望を訴える声も存在します
【ワンパンマン】第2期の再評価の兆し
第2期は2019年に放送され、制作会社がJCスタッフに変更されたことにより、作画や演出のテイストに明確な違いが現れました。
これによりファンの間では「クオリティが落ちた」「動きが少ない」などの否定的な意見も多く見られ、初期の頃は賛否が激しく分かれました。
しかしながら、海外の動画評価サイトでは他のアニメと比較しても平均的な数値を評価を記録しており、一定以上のクオリティを保っていたことは事実です。
第3期の放送が開始された現在、「第2期も今思えば良かった」「2期のほうがまし」と再評価する声も増えつつあり、比較によって印象が変動している現象が見られます。
視聴者の声と比較による評価の歪み
シリーズが長く続く中で、特に評価に大きく影響しているのが過去作との比較です。
第1期の神作画を基準とする視聴者が多く、その完成度があまりにも高かったがゆえに、それ以降のシリーズが常に「物足りない」と感じられてしまう傾向があります。
この現象は第2期にも見られましたが、第3期ではさらに顕著になっており、どれだけ新しい要素を入れても「昔は良かった」と語られる厳しい状況に置かれています。
【ワンパンマン】今後への期待と展開の可能性
とはいえ、第3期はまだ物語が本格始動していない段階であり、アクションの見せ場は第3話以降に持ち越されています。
公式の予告などでも、今後本格的なバトル展開が始まることが示唆されており、ここからの評価の巻き返しに期待が寄せられています。
また、今回のシリーズでは人気キャラクター・ガロウの再登場や、怪人協会との壮絶な戦いが描かれる予定であることから、原作ファンの間でも今後の展開に注目が集まっています。
映像化においてどのような表現がなされるのかも、視聴者の関心を集めるポイントです。