『カグラバチ』は週刊少年ジャンプにて連載中の、剣と妖術をテーマにしたダークファンタジー作品です。
復讐に燃える青年・六平チヒロを主人公に、妖術師たちとの壮絶な戦いと人間模様が描かれています。
本記事では『カグラバチ』第80話について感想やレビュー、考察を行っていきます。
Contents
【カグラバチ】79話までのあらすじ
第79話では、ハクリの任務が真打を隔離することだと判明し、彼は区堂と共に地下の真打の元へ向かいます。
一方、侵入者7名のうち3名が第一層中央部に到達しました。
当初、彼ら全員が毘灼のメンバーだと思っていましたが、今回確認できたのは1名の手の甲にのみ特徴的な紋章が刻まれていました。
このことから、毘灼の構成員が必ずしも武闘派ではない可能性が浮上します。
その穴埋めとして選ばれたと思われる死柳兄弟は、薊によって瞬殺されてしまいます。
しかし、残る1名は毘灼のメンバーであり、さらに六平国重襲撃事件の実行犯であることが示唆されました。
【カグラバチ】80話のあらすじ最新話
©外薗健/集英社神奈備本部に広がる巨大書庫！
ハクリと区堂は神奈備本部第二層に到着しますが、あまりの広さにハクリは驚きます。
そこにはすべて妖術に関する書物がおいてあり、身体に生来宿っている妖術と違い、基本的な移動術や結界術は学問に近く、ここの書物で神奈備職員は勉強しているそうです。
漣家にも妖術に関する書庫はあるらしいが、その倍くらいの本がおいてあるとのことでハクリは圧倒されっぱなしです。
巻墨もその道の職人で、このフロアの本の知識を全てを頭に叩き込んで応用できるぐらいの技術があるそうです。
ハクリは勉強が苦手なようで、勉強をやる前から体が拒否反応を示していました。
薊の殴打音が地下まで！？神奈備本部に忍び寄る不安
第一層から地響きのような音が聞こえ、ハクリは動揺します。それは薊の戦闘によるものと説明されますが、鉄壁の結界に守られた施設であるはずの神奈備にこのような音が届くこと自体が異常です。
区堂は、巻墨レベルの職人が7人もいることで結界は破れないと説明しますが、それでも薊の力や、上層部の実力が計り知れないことがうかがえます。
この時点で、読者としても「本当に神奈備は安全なのか？」という疑念が湧いてきます。
石枚の裏切りと松の妖術発動！内部崩壊の序章
さらに地下へと向かう途中、案内役の職員・石枚が突然豹変します。
娘の写真を見せ、「この国より大切なものだ」と語った直後、自傷行為に及び、そこから松の枝が発現。恐ろしい松の妖術が発動します。
石枚の豹変は、人質を取られた結果であり、彼もまた“使い捨て”の駒だったことが示唆されます。
松の妖術は複数箇所で同時に発動し、神奈備の内部が混乱に包まれます。
区堂はハクリを庇い、自ら松の妖術に立ち向かいながら、エレベーターの床を抜いてハクリだけを下層へ逃がしました。
仲間が敵に…家族を人質に取られた職員の悲哀
毘灼の人質作戦
下層で合流した神奈備職員たちは、ハクリを見て突然刀を突き立ててきます。
彼らもまた、家族を毘灼に人質に取られていたのです。
「悪いな、家族のためだ……」というセリフが、彼らの心の葛藤と絶望を物語っていました。
これはただの裏切りではなく、「選ばされた裏切り」であり、彼らの行動には複雑な背景があります。
読者は、この国を守る神奈備でさえも、人心が脆く揺らぐものであると突きつけられます。
蔵の能力と漣宗也の“愛”が生んだ異常な肉体
想定以上に頑丈なハクリ
刀を奪われながらも暴力を振るう職員たち。
しかし、ハクリの体は思った以上に頑丈でした。
なぜなら、10年間に渡り漣宗也の底なしの愛＝過剰な鍛錬に耐え抜いていたからです。
神奈備職員の肉体は5年間の訓練で強化されていますが、ハクリはそれを超える年月と密度で身体を鍛えられていました。
その結果、殴打も蹴りも通用せず、「ごめん」とつぶやいて反撃。
威葬で職員を倒します。
真打隔離へ、孤独な戦いの始まり
©外薗健/集英社誰が敵か味方か分からない混乱の中、ハクリは自由を手にします。
だが、状況は最悪で、精鋭たちが内部崩壊している今、真打を守れるのは自分しかいないと感じます。
「俺も主力だ！！」と叫び、さらに地下層へと足を踏み出します。この言葉には、彼自身の成長、そして覚悟が込められていると読み取れます。
【カグラバチ】80話考察まとめ！
神奈備は崩壊するのか？毘灼の策に潜む計算とは？
第80話では、神奈備という要塞が、内側から崩壊し始めるという衝撃の展開が描かれました。
毘灼の計画は冷酷かつ周到であり、心理戦と人質作戦によって無血開城を狙っているようにも見えます。
石枚のセリフや職員たちの苦悩には、敵にも味方にもそれぞれの「守るべきもの」があることが示されています。
そして、それを逆手に取った毘灼の冷酷さは、単なる敵役を超える深みを感じさせます。
果たしてハクリは真打を隔離し、神奈備を守り切ることができるのでしょうか？次回の展開が待ち遠しいです。
